こんにちはいっかいです。
今回は抽象化するということについて考えたいと思います。
ピカソの絵は昔は抽象画と言われてましたが、抽象化がどんどん進んで
大きな画面に大きな丸を描いただけとか四角を描いただけ
という絵が流行った時期があります。
なので丸とか四角とかそういう絵を抽象画、ピカソみたいにある程度何かの形を成しているものを具象画と分類します。
なので厳密に言うと、具象化するということについて考えます。
具象化することがイコール芸術性が高いということではありません。抽象画で
ただキャンバスに絵の具を塗ったくって「はい芸術です。」という悲しい絵を良く見かけます。
それは、キャンバスに絵の具を塗ったくっただけの絵です。100歩譲ってなんか面白い配置で描けたね♪という程度です。芸術性は極めて低いです。
逆に言うと具象化されていなくても芸術性が高い絵はあると思います。私はいまさら写実を描く気にはなれませんが。
何のために具象化するのでしょうか??
具象化する理由を紹介したいと思います。
何はともあれ、精神性を表現している。
写実的に上手く描こうとか、綺麗に描こうとか、そういう囚われの気持ちは画面に出てしまいます。見る人が見ればすぐに分ります。
芸術はいかに高度な精神性を画面上に表現できるかということの追求です。
なので美しさは、形状の美しさの他に精神性の美しさも含まれます。
まるで子供が無邪気に描いたような線や形で精神性の自由を表してゆきます。
また、その具象の現す形の中に、熟練した画家の技巧や想いが込められているのです。
精神の自由を表す一つの手段と言えます。
ピカソの「顔」
ピカソは油絵だけでなくお皿の作成もしています。
「顔」のシリーズは心の自由を上手く表した作品だと思います。
やはり、ピカソの具象画は精神性の表現まで至っていてとても上手いです。
その他に具象の基礎となった絵を紹介します。
セザンヌの「トランプ遊び」
この絵は具象の始まりみたいな位置づけの絵です。覚えておいたほうが良いでしょう。
まだ精神性を表現するところまで至っているとはいえませんが、技法として当時これをあみだしたことは賞賛に値すると思います。
セザンヌ「庭師」
同じセザンヌの晩年の作品です。
この絵は精神性を表していると言える絵です。老人が木漏れ日の中で麦藁帽子をかぶって座っている。ただそれだけの絵ですが、それを美として捉えるセザンヌの人生観を表していると言えます。
セザンヌ「 サントヴィクトワール山」
この絵もセザンヌの芸術に対する思いや精神性を表している絵と言えます。
山や自然の偉大さ、大きさを精神の大きさ広さと重ね合わせた表現といえます。
この絵は後にピカソとブラックという画家のキュビスムという画法に影響を与えます。
ターナーの「雨、蒸気、速度」
この絵も後の印象派や具象画に大きな影響を与えた絵と言えます。
具象化することの目的は、技法をこねくり回しているだけのものではありません。
ただキャンバスに絵の具べちゃーっていう絵を描いている人は早く卒業しましょう。
具象画は
精神の自由、大きさ、広さ、おおらかさを表しています。また、物を捉えるときに物に固執せず、そのものの味わいや、そこに重ね合わせた精神性を表す為のものです。
そういった目で具象画の本質を見抜き、良し悪しを見抜いてください。
ページの最後まで読んで頂きありがとうございます。
今後も芸術について紹介していきます。