こんにちはいっかいです。今回はフェルナン・レジェを紹介したいと思います。
レジェの絵は楽しいです。
ボリュームのある人体に影をしっかりつけた独特のものです。
深い精神性を求めるタイプの芸術家ではなく、彼が生きた時代の近代化される街
やその中で生きる人々の生活に興味があったようです。
レジェの絵のボリューム感は味わい深く、画面をしっかり構成することを好んだ画家と言えます。
レジェは初期の頃はキュビスム的な絵を描いています。
レジェの絵を見た人の中には批判的にチュビスムと呼ぶこともありました。
その名の通りチューブのような独特の重量感ある円柱体で絵を構成しています。
これは画家セザンヌの「自然を円錐(えんすい)、円筒、球として捉えなさい」と言う言葉の影響と思われます。
トランプ遊び
上記のトランプ遊びはまさにセザンヌのカード遊びをする人々を
レジェ風に描いたものでです。ロボットがトランプをしているようで面白い絵です。
セザンヌ「トランプ遊びをする人々」
レジェは第一次世界大戦で戦争に参加しています。とてもつらい経験です。
そのときに見た大砲の円筒形、その質感や光が彼の絵の中の円筒形に影響を与えています。
本を持つ女
レジェは本を持つ女など、全く同じような絵を何枚か描いてます。左右逆転した絵だったりして、あれ?って思うことがあります。
この絵はレジェが作り上げた彼独自の形式といえると思います。
彼の絵をモノクロにすると白と黒の対比が実に上手くいっています。
多少*アールデコてきな面もありますが、曲線と直線のバランスを良く考えた画面構成をしております。絵を描く際に芸術家は、曲線ばっかり、直線ばっかりに基本なら無いようにします。直線と曲線のバランスを考えてまんべんなく配置します。アールデコ的と言ったのは多少幾何学的に成りすぎていて、もう少し絵画的に仕上げても良いと感じるからです。
しかしレジェが作り出した描き方は、とても面白く、重量感のある良い絵です。
ものの形をしっかり捉えるタイプの画家です。
私自身もレジェの絵の影響を少し受けています。
(レジェの絵はネット上で検索しにくいです。タイトルがはっきりしていない作品が多いようです。
まだまだ、紹介したいのですが著作権のからみで出来ません。残念)

自転車を楽しむ人々や
管楽器を弾く人々
群像を構成的に配置した絵
など
傑作と言える絵が多くあります。
レジェは曖昧さの無い線でものの形をしっかり捉え、大胆で味わいのある、ボリュームのある
絵を描きます。
私にとっては自分のスタイルを確立するに当たって、レジェはとても参考になる画家と言えます。
*本文中のアールデコ様式とはアールヌーボ様式のように流れるような曲線を用いて家具や建築、ポスターなどをデザインしたデザイン様式の次に生まれたデザイン様式、簡単に言うとアールヌーボーの曲線に比べて直線と丸などを組み合わせた、幾何学的なデザイン。少し無機質な感覚もあるがそれを上手く組み合わせてデザインしている。