こんにちはいっかいです。
芸術をもっと気楽に楽しんでもらえればと書いております。
私自身ゴッホやピカソを尊敬しておりますが、さらにもっと尊敬しているのが葛飾北斎です。
今回は葛飾北斎がどう凄いのかご紹介します。
北斎の絵についてはネットで検索してください。
とにかく上手いし、作品数も半端じゃない数です。
今回紹介するのは絵についてではなく
北斎の中身、精神性についてです。
北斎はよく富士山の絵を描いています。
とにかく上手いです。
それはさておき、問題は中身です。
北斎は富士山の絵を描きますが、富士山を不二と表記することがあります。
これは、なぜでしょう?
不二とは訳すと、2にあらずです。では何が2にあらずなのでしょう。
日本の密教では色々な曼荼羅がある中で、最も重要な曼荼羅が2つあります。
胎蔵界曼荼羅(たいぞうかいまんだら)と金剛界曼荼羅(こんごうかいまんだら)です。
胎蔵界曼荼羅は様々な神々の影響を受けて、その良いところを吸収して自己を形成して行くことを説明している曼荼羅です。
金剛界曼荼羅は己の行動をもって自己を形成して行くことを説明している曼荼羅です。
胎蔵界曼荼羅は女性的と言われ、金剛界曼荼羅は男性的と言われ
その両界の曼荼羅は2にあらず、2つで一つであると説かれております。
そのことを金胎不二(きんたいふに)と言います。
胎蔵界曼荼羅は大悲(だいひ)、おおいなる慈悲について説かれ、金剛界曼荼羅は大智(だいち)、おおいなる知恵について説かれ、その二つの知恵を持ち合わせ、自己を形成していくことが重要であるとしています。
北斎が不二と表記するのは、金胎不二(きんたいふに)を言いたいからです。
北斎は晩年、画狂老人卍(がきょうろうじんまんじ)と名乗っています。
まんじが表すのは仏教です。
そのことからも分るように仏教に深く精通し、絵画を創作する上において
精神性のベースとして密教の世界があるのです。
しかも、富士山と不二をかけてそこにこだわっていたということは
それが北斎にとってのテーマであったと言えます。
富士越の龍
この絵のタイトルはいかがなものでしょう
私としては不二とすべきかと思います。
この絵があるから尊敬できると言ってもいいかもしれません。
この絵を見て感じることは「大楽」(たいら)です。
大楽は密教のいわゆる究極の境地です。
密教を勉強して大楽が分っていて、絵が超上手い。
葛飾北斎は絵描きとして一番尊敬できるのです。