こんにちはいっかいです。芸術って意味不明なものになりがちなので、簡単に理解できるように見方や描き方をご紹介できればとブログを書いてます。
今回は『面とシルエット』についてご紹介します。
面(めん)とは平面のことです。
芸術を理解する画家はこの『面』を意識しております。
なかなか参考になる絵がネット上にころがっておらず説明しずらいので
私の絵で紹介します。

このときの絵は面と面の組み合わせを意識しております。
絵の中の一つ一つの面を見てください。
面に複雑なシルエットを与えます。一つの面が構成するシルエットを意識し、
それが全体の中で違和感無く構成されていることが重要です。
パズルのように面と面を組み合わせてゆきます。
特に面がもつシルエットが重要です。
そこに画家のアイディアが盛り込まれているのです。
マティス「王の悲しみ」
この絵は面の構成を楽しむ絵と言えるでしょう。
面に微妙な変化を与え、左右対称にならないように意識しているのが見て取れます。
例えば、3人の頭の部分を見て下さい。単純に丸のようでいて、実は絶妙に左右対称にならないように変化を与えています。黄色いはっぱのようなものも一見左右対称ですが、よーく見て下さい。カーブの頂点を微妙にずらしたり、カーブの強さを変えたり、絶妙に変化を与えています。
分りやすいのは、真ん中の人物の持つ楽器です。楽器を表現しようとするなら綺麗な線でひょうたん型に描くことは画家にとって簡単なことです。しかしこの場合左右対称のものが画面中央にくると絵全体のリズムを壊してしまいます。楽器部分だけが妙に浮き立ち、つまらないものにしてしまうのです。そこで形を下手絵のようにして左右のカーブの頂点をずらし変化を与えているのです。
もう少しシルエットが良い作品を紹介します。
マティス「ブルーヌード」
マティス「女性と猿」
この絵は猿のシルエットがデフォルメされとても良い作品です。
完全に、面とシルエットを意識している高度な表現です。
果物のシルエットも素朴でお洒落で素晴らしいです。
マティスがシルエットの良いもの同士を一画面に
入れたくなったのでしょう。青と白の対比も素晴らしく巧みな表現です。
ピカソ「画家とモデル」
(ごめんなさい、目的の絵が表示されないことがあります。)
緑色のモデルの部分を見てください。
白い面と緑色の影で構成されるシルエットの複雑さ
超巧みな表現です。
完全に面とシルエットを意識しています。
面とシルエットを意識するのは今回紹介した絵のように平面的な絵に限りません。
陰影があるような絵でもこれらの面とシルエットは常に意識するべきです。
絵を描く人はシルエットが単調にならないようにすること、左右対称にならないようにする事を心がけましょう。
そこに画家のアイディアが盛り込まれ腕の見せ所でもあるのです。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
今後も画家の紹介と基本的な技術の紹介をしてゆきます。
よろしくお願いします。